暗号資産市場は急速に拡大しており、それに伴って日本国内の暗号資産取引所の利用者口座数も増加し続けています。代表的な暗号資産としてビットコイン(BTC)が知られていますが、ビットコインキャッシュ(BCH)もビットコイン(BTC)からハードフォークして誕生した暗号資産であり、日本国内でも多くの暗号資産取引所で取り扱われています。
この記事ではビットコインキャッシュ(BCH)の基礎知識や仕組み、ビットコイン(BTC)との違いについて解説します。この記事を通じて、ビットコインキャッシュ(BCH)への理解を深め、今後の活用や投資の参考にしてみてください。
ビットコインキャッシュ(BCH)の基本情報
| 名称 | ビットコインキャッシュ |
| ティッカーシンボル | BCH |
| 初回発行日 | 2017年8月1日 |
| 発行上限 | あり(2,100万枚) |
| 価格* | 91,404円 |
| 時価総額** | 約1兆8,588億円(11位) |
*2025年12月21日現在
**2025年12月21日、CoinMarketCap調べ
ビットコインキャッシュ(BCH)の誕生
ここでは、ビットコインキャッシュ(BCH)がどのような経緯で誕生したのか、基本となるポイントを解説します。
ハードフォークの背景
2017年、暗号資産の代表格であるビットコイン(BTC)は、価格上昇と取引量の増加によりネットワークが混雑し、送金の遅延や手数料の高騰といったスケーラビリティ問題が深刻化していました。特に少額決済では手数料負担が相対的に大きくなり、ビットコイン(BTC)の実用性に疑問を抱く声が強まっていました。
こうした状況を受け、ビットコイン(BTC)のコミュニティ内では、スケーリングの方向性をめぐって大きく二つの考え方が対立します。
一方は、取引データを格納するブロックサイズを拡大せず、分散性やセキュリティ、ネットワークの安定性を最優先する立場です。この考え方では、ブロックサイズの拡大はノード運用コストを増大させ、結果としてネットワークの分散性を損なう可能性があると懸念されていました。そのため、オンチェーンの仕様変更による拡張ではなく、トランザクション処理の最適化や、ライトニング・ネットワークなどのオフチェーン技術によってスケーラビリティを確保すべきだと考えられていました。
もう一方は、オンチェーンで処理できる取引量そのものを増やすためにブロックサイズを拡大し、送金速度の向上や手数料の低減を優先する立場です。こちらは、ビットコイン(BTC)を日常的に利用できる決済手段として普及させることを重視していました。
このように、スケーラビリティ問題への解決策を「オフチェーンによる拡張」と「オンチェーンでの拡張」という異なる設計思想で捉えていたことから、両者の意見が一致することはありませんでした。その結果、ブロックサイズ拡大を支持するグループがハードフォークを選択し、ビットコインキャッシュ(BCH)の誕生へとつながります。
ブロックサイズ拡大と具体的な変更点
ビットコインキャッシュ(BCH)では、ビットコイン(BTC)と比較して最大ブロックサイズが大幅に拡張されています。ビットコイン(BTC)のブロックサイズが1MBに制限されているのに対し、ビットコインキャッシュ(BCH)では当初8MB、現在は最大32MBまでのブロックを生成できる設計となっています。
この変更により、1ブロックあたりに含められる取引件数が増加し、混雑時でも取引が滞りにくくなるほか、送金手数料を低く抑えやすい環境が整えられました。
一方で、ビットコイン(BTC)はブロックサイズを拡大するのではなく、2017年にSegWit(Segregated Witness)を導入するという別のアプローチを取りました。SegWitでは取引データの構造を効率化することで、1ブロックあたりに処理できるトランザクション量を実効的に若干増加させています。これにより、手数料の高騰や送金遅延の一部改善が見られました。ただし、根本的なブロックサイズの制限は残っているため、大規模な取引増加には依然として制約があるのが現状です。
このように、ビットコインキャッシュ(BCH)はブロックサイズ拡大によってオンチェーン処理能力を高める設計を選択しましたが、その一方で、ブロックサイズの拡大はノード運用に必要なストレージ容量や通信帯域の増加を伴います。その結果、フルノードを運用できる参加者が限定され、ネットワークの分散性が低下する可能性がある点が、ビットコインキャッシュ(BCH)における技術的な課題として指摘されています。
ビットコイン(BTC)との共通点
ビットコインキャッシュ(BCH)はビットコイン(BTC)からハードフォークしたことで誕生した暗号資産のため、ビットコイン(BTC)と共通する基本設計も多く残しています。
PoW(プルーフオブワーク)の採用
ビットコインキャッシュ(BCH)は、ビットコイン(BTC)と同様に、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用しています。ブロックチェーン上で新しいブロックを作成するために、マイナーが一定の条件を満たすハッシュ値を見つける計算処理を行い、この計算に成功すると新しいブロックが生成され、ネットワークに共有されます。共有されたブロックは他のノードによる検証を経て正当と判断された場合にブロックチェーンへ追加され、その結果、ブロック生成に成功したマイナーは報酬としてビットコインキャッシュ(BCH)を受け取ります。
発行枚数と半減期の仕組み
ビットコインキャッシュ(BCH)の総発行枚数はビットコイン(BTC)と同じく2,100万枚に制限されています。この上限設定により、インフレリスクが低減され、供給量が無制限に増加する暗号資産と比較して、価値の希薄化が起こりにくくなっています。加えて、ビットコインキャッシュ(BCH)はビットコイン(BTC)と同様に約4年ごとにマイニング報酬が半減する「半減期」の仕組みを採用しており、新規発行量が段階的に減少することで、通貨の価値を長期的に安定させる設計となっています。
ビットコインキャッシュ(BCH)の購入方法
これまでご紹介した内容では、ビットコインキャッシュ(BCH)の仕組みやビットコイン(BTC)との違いについて触れてきましたが、次にビットコインキャッシュ(BCH)の購入方法について紹介します。ビットコインキャッシュ(BCH)の購入方法はいくつかありますが、一般的なのは国内の暗号資産取引所を利用する方法です。暗号資産取引所を利用することでパソコンやスマートフォンからアクセスでき、手軽にビットコインキャッシュ(BCH)を購入できます。
購入手順は、まず暗号資産取引所でアカウントを登録し、本人確認を行います。その後、自身の銀行口座から日本円を入金し、ビットコインキャッシュ(BCH)を購入する流れです。2025年12月時点では、多くの国内暗号資産取引所がビットコインキャッシュ(BCH)を取り扱っていますが、暗号資産取引所によって、購入時の手数料体系が異なるため、各暗号資産取引所のウェブサイトを確認し、自分に合った暗号資産取引所を選択することをお勧めします。
ビットコインキャッシュ(BCH)の可能性とは
ビットコインキャッシュ(BCH)は、ビットコイン(BTC)から分岐して誕生した暗号資産で、PoWや発行枚数、半減期などの基本的な仕組みはビットコイン(BTC)と共通です。一方で、ビットコイン(BTC)と比較すると、ブロックサイズの拡大により少額決済や迅速な送金に適しており、日常利用に向く設計となっています。ビットコインキャッシュ(BCH)は日本国内の主要な暗号資産取引所でも取り扱われており、興味を持った方はまず少額から取引を始めてみることをお勧めします。今後もビットコインキャッシュ(BCH)の技術や活用方法に注目し、市場動向を把握していきましょう。